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執筆者の写真watanabe naoko

アーユルヴェーダ パンチャカルマ(小話)

ケララにて


ここに来てから、本当に良く寝ている。 寝すぎたと思っても怠い感じもなくスッキリ、というか普通。

ここに来るまでは、1日に何人もの身体を触り、話を聞くのが仕事の毎日。 人と話をするのに少し疲れていたかもしれない。 けれど時間があると友人と会い、美味しいものを食べたりして過ごす。 家族も含め、人と全く話さない日なんてここ最近はなかったんじゃないだろうか。 ここに来て5日目、みんな外国人(当たり前)という事もあり、挨拶以外はそんなに 会話をする事がない。ドクターやセラピスト、ナースと日常会話を少しするくらい。 はじめはなんとも思っていなかったが、3日目くらいから自分の中でいろんな感情や 会話が聞こえて来た。 ジュリアロバーツ主演の「食べて祈って恋をして」という映画で、ジュリアがインドの アシュラムでサイレントメディテーション(喋らない、読まない、書かない)をしていたのを思い出す。私はPCでSNSチェクしたりスマホで友達とラインしたりしているが。それでも、直接人と 会話をあまりしない時間が多くなると、自分と会話する時間が増えて来る。 別に日本が恋しいとか、寂しいという感情はないがただただ時間が過ぎていく。 隣の部屋のマリアと、ディナーで同じテーブルについた。 話しかけても、相槌を打つだけで黙々と食事をするマリア。 あ、、なんかタイミング悪かったかな?と私も黙って食べる。 「ごめんなさい。すごく疲れていて。」とマリアが話し出した。 確かに昼間も夜も、仕事の電話をしている様だった。二人の部屋の間にはバルコニーがあって、私はだいたいそこで本を読んでいるか昼寝をしている。マリアは「うるさくてごめんなさい。」と言いながらいつも難しそうな書類を見ながら電話をしている。 「仕事、忙しい?」 と聞くと、大きくため息をついて。「ここに来てからほとんど眠れないの。だいたい2時間くらい。」 「!!!!!!!」 私は、毎日10時間以上寝ているのに!!!あんなにマッサージされて眠れないなんて!! 「朝方になると眠くなって来るんだけど、すぐに朝食の時間になっちゃうから。」 こりゃあ、交感神経と副交感神経のバランスが崩れているな、などと思いながら話を聞く。 しかし、あんなトリートメントを受けてるのにリラックス出来ないのか。 彼女は先生をしていて、ロシアの教育はストイックだからホームスクールで教えているのだという。他にも10代の子供達に「本当の幸せとは?」などを考える機会を持つプログラムを進めているらしい。 南インドは自然が豊かで緩やかなところだからずっと来て見たかったそうだ。 ちなみにこれが彼女の初めての海外旅行。8歳の息子さんと旦那様にお留守番してもらって。 ふとディナーテーブルを見つめながらマリアが 「私の息子は料理が大好きなの。」 と話し始めた。 私が、「あなたの家族の写真ある?よかったら見せて?」 というと嬉しそうにスマホにある写真をたくさん見せてくれた。 どうしたら、彼女が眠れる様になるのだろう?せっかく楽しみ来た南インドなのに。。 「もし良かったらラベンダーオイルとか、アロマのエッセンシャルオイルがあるから枕に垂らしてみる?」と聞くと首を横にふって 「ドクターがハーブを処方してくれたけど、私には効果的じゃないみたい。。きっとエッセンシャルオイルも。。気持ちは嬉しいけれど。 マッサージも私にはあまり合わないみたいで休みにしてもらったの。」 と少しこのプログラム自体に不信感を抱いてしまっている様に思えた。 話題を変えて、もっと彼女の写真を見せてもらった。仕事場の写真や結婚式の写真。 段々と彼女が元気になってきたので、ディナー後にバルコニーでお喋りをすることにした。 彼女は部屋から、カラーペンや水彩絵の具を持ってきてくれて、 「一緒に絵を描きましょう。」 と誘ってくれた。絵を描きながら沢山の話をした。 先生になるのは7歳からの夢だったこと。はじめは全然違う石油とかガソリン系の会社に務めていてつまらなかったこと。次についた仕事が楽しいけれど大変で沢山勉強しなっくてはいけなかったこと。また先生となった今も勉強し続けていて、旦那さんには「まだ勉強することがあるの??」と驚きと共に飽きられていること。 そして、私は今年の夏に北インドへ行ってダライ・ラマに会った話をした。 彼は言っていたよ、「most important thing is keep studying」だって。 と言うと彼女は目を輝かせていた。 そして彼女もまたダライ・ラマに会うのが夢らしく、とても羨ましがられた。 「北インドか。。次に海外旅行に出られるのは2年後くらいかしら? 次にインドに来るときはアシュラムに入りたいの。 いつかダライ・ラマに会いたい。」 と言っていた。

翌日、彼女はイギリス人の友達と街へショッピングに出かけた。 帰ってきた彼女の楽しそうな顔! 「ショッピングどうだった?」と聞くと 「最高だった!! めちゃくちゃ買い物しちゃった!洋服とアクセサリーとスパイスと、、、、ほとんど私の買い物!」 そうだよね、そうだよね!女子はやっぱショッピングだよね! そうだったストレスの発散方法はリラクゼーションだけじゃない。 思いっきりお買い物したりお喋りしたり。 もしかしたら彼女にはそう言うことが効果的だったのかもしれない。

写真は、毎日私の部屋のお掃除をしてくれるシーダ。 毎朝8:00にこうしてお部屋にお香を焚きにきてくれる。 今日までチップを上げるのを忘れていて、5日目にしてやっとチップを渡した。 150ルピー。5日分。 そしたら、今日のベッドメイクはこんなアートなことに!


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